夕方になると頭重感を感じるようになり、頭から首が締め付けられるような頭痛。
これは緊張型頭痛の典型的な症状なのですが、頭が痛くなるたびに薬を飲み、頭痛が治まるのを待つのは憂鬱な時間でしょう。
しかし、このような緊張型頭痛に関しては、単なる疲労や体質の問題ではなく、骨格の歪みが影響しています。
目次
緊張型頭痛とは
頭痛は命に関わる病気の兆候のこともありますから、まずは病院で診察や検査を受けるべきです。
しかし、病院で検査を受けても異常や原因が見つからないことも多く、そのような命に関わらない頭痛のことを一次性頭痛と呼びます。
緊張型頭痛や片頭痛のように、慢性的に繰り返す習慣的な頭痛がまさにそれですね。

その中でも、緊張型頭痛は名前の通り、筋肉の緊張によって引き起こされます。
長時間のデスクワークや姿勢の悪さによって、頭部を支えている背中から後頭部にかけての筋肉が疲れて過緊張すると、首から頭が締め付けられるように痛む。
これがよくある緊張型頭痛の説明でしょう。
頭が痛くなるほど筋肉が緊張するのはなぜ?
このような頭痛に対しては、頭を締め付けている筋肉の緊張を和らげるために、
といった対処法を取られることが多くなります。
たしかに、それでも一時的には頭痛が緩和するのですが、時間が経てば同じように頭が重だるく感じられ、締め付けられるように痛むようになってきますよね。

これは筋肉の緊張を緩和しても一時的に弛緩するだけで、頭が痛くなるほど筋肉が硬くなる原因そのものは解消されていないからです。
つまり、緊張型頭痛で解決するべき問題は、頭を支える筋肉の緊張ではなく、頭痛を引き起こすほど筋肉が過緊張する理由の方なのです。
そして、この理由が骨格の歪みです。
首に負担が掛かりやすい構造上の理由
人間は直立二足歩行で活動をしているのですが、この形態には様々なメリットと引き換えに、首に負担が掛かりやすいという構造的なデメリットがあります。
直立二足歩行で生活するということは、横になって寝ている時間以外は、ずっと背骨を地面に対して垂直に立てたまま支えておかなければなりません。
とくに人間は他の動物と比べて脳が大きいため、体の大きさに対して頭の比重が高く、全体重のうちの頭が占める割合が多くなっています。

その重たい頭を、立っていても、座っていても、歩いていても、手も使わずにずっと首の上に乗せて支えているわけです。
ですから、頭を支えている首や、その周囲の筋肉には、もともと負担が掛かりやすいという弱点があるのです。
頭の重さを支えるための工夫
構造的に首には負担が掛かりやすいとはいえ、全員が全員、疲れたら頭が痛くなってくるわけではありませんよね。
これは、首に負担が掛かりやすい反面、自分で自分の頭を支えるための工夫もされているからです。
たとえば、人間の首を横から見ると、顔の方に弯曲しているのが正常な状態です。

このカーブの役割はたくさんあるのですが、緊張型頭痛に限って言うと、頭の重さを分散しながら、体の中心で支えるためです。
というのも、アーチ構造は耐荷重に優れた構造で、建築物でも橋やトンネルなど、強い圧力を分散する必要がある場合に取り入れられています。
これは首も同様で、弯曲してアーチ構造を作ることで、7個ある首の骨へ均等に頭の荷重を分散しています。
また、頭の重心を体の中心に持ってくるのも、この首の弯曲の役割です。
ですから、この構造が維持されている限りは、頭痛を起こすことなく、自分で自分の頭を支えることができます。
首が歪むと自分の頭を支えられなくなる
ところが、骨格が歪んで首のカーブがなくなると、自分で自分の頭を支えることが出来なくなります。
これを実際のレントゲンで見てみましょう。

首は本来、前弯しているのが正常なのですが、骨格が歪むとカーブがなくなって真っ直ぐになります。
整形外科などでレントゲンを撮ったときに、「ストレートネック」と言われたこともあるかもしれませんが、骨格的には正常な弯曲がなくなったこの状態のことを指します。
首の弯曲がなくなっているということは、頭の荷重を分散するためのアーチ構造がなくなった状態ですから、頭の重みが分散されずにそのまま掛かるようになります。
しかし、私たちが直立二足歩行で生活をしている以上、それでも何とかして頭を支えておかなければなりません。

それでどうするかというと、頭を支えている筋肉がいつも以上に頑張って支えようとします。
その結果、背中から頭にかけての筋肉に、想定外の負担が掛かるようになるため、すぐに疲労を起こして柔軟性がなくなり、頭や首を絞めつけるほどに過緊張する。
これが骨格が歪むと頭を支える筋肉が過緊張する理由です。
うつむくと首に掛かる負担は三倍
また、首の弯曲がなくなると、頭の重心が前方に移動して姿勢も悪くなり、頭が体の中心で支えられなくなることも問題でしょう。
人間の頭は意外と重たくて、成人の平均で約6㎏の重量があるとされています。
6㎏というと2Lのペットボトル3本分の重量です。それを支えているのが首で、起きている間はずっとその重量を受け止めています。

ただし、これは頭が体の中心にあるときの話であって、重心が前に移動すると荷重が偏って掛かるため、首への負担が飛躍的に増えることが分かっています。
手元のスマホやパソコンのモニターを見るために、頭が30度前傾したとしましょう。
そうすると、本来は上に乗っている頭を支えるだけでよかったものが、前に倒れようとする頭を後ろに引き戻さなければならなくなり、首に掛かる負担が3倍になることが分かっています。

6kgの3倍といえば18㎏ですから、だいたい4歳児の平均体重と同じくらいです。
首が歪んでカーブがなくなれば、頭の重心が前に移動して、顔を前に突き出したような姿勢になりますので、そこから少し手元やモニターを見るだけでも、30度くらいは簡単に前傾してしまいます。
長時間のデスクワークは、ずっとこの状態で頭を支え続けるわけですから、夕方になってくれば支えきれなくなり、頭痛がしてくるのも当然の現象といえます。
頭痛は原因を断つことを考えましょう
このような緊張型頭痛に対して、薬やマッサージを続けていても、原因が取り除かれたわけではありませんから、その場しのぎにしかならないのも納得ですよね。
そこで最先端骨格矯正では、頭痛の症状を取り除くのではなく、その構造的な問題を解決することで根本的な改善を目指します。

骨格の歪みを矯正して首の弯曲が元に戻れば、再び頭の重みを分散して支えられるようになるだけでなく、頭の位置も戻りますから首に掛かる負担も正常な範囲に戻るでしょう。
そうすれば、頭を支える筋肉が過緊張する必要もなくなりますから、緊張型頭痛が起こることもなくなります。
まとめ
「緊張型頭痛の誘因は頭を支える筋肉が過緊張するからだ」ということは、少しでも調べたことがあれば誰だって知っています。
しかし、その筋肉の緊張に対して対症療法を繰り返しているだけでは、根本的な改善にはなりません。
頭痛はその症状がつらいだけではなく、思考力が落ちて生産性が下がったり、休むために時間を奪われて予定が狂ったりと、人生の広く深い範囲に影響する問題でもあります。
ですので、慢性的な頭痛にお困りの際は、いちど首の歪みを確認するようにしてください。
