ズキンズキンと頭が痛み始めると、日常生活もままならなくなりますよね。
しかし、そんな片頭痛の症状も、概ね頚椎の歪みで説明がつくのはご存じでしょうか?
もし慢性的な片頭痛でお困りであれば、体質や気圧のせいだと諦めずに、いちど頚椎の歪みを確認してみてください。
片頭痛とは
片頭痛はズキンズキンと脈打つように、こめかみや目の奥が痛むのが特徴です。
頭痛がひどくなってくると目がチカチカしてきたり、吐き気が出てきたりして、寝込むほどの症状になることもあるでしょう。
そのため、仕事や学業に支障をきたすことも珍しくはないのですが、頭痛外来などで診察を受けてもこれといった原因が見つからないことの方が多く、薬物療法しか選択肢がないのが実情です。

このような原因がはっきりしない頭痛のうち、命に関わらないものが一次性頭痛と呼ばれ、緊張型頭痛もこのカテゴリーに含まれます。
ただし、緊張型頭痛が頭を支える筋肉の疲労などで出てくるのに対し、片頭痛の病態生理が完全に解明されているわけではないものの、神経・血管などの異常興奮によって発症するという違いがあります。
もっとも、その神経や血管の状態異常がなぜ起こるかについては、はっきりとした見解が定まっておらず、それが理由で薬を使った対症療法以外の治療法が確立されていません。
片頭痛は体質として諦めるしかない?
片頭痛は明確な原因が分からないため、体質のようなものだと半ば諦めて、うまく付き合っていくしかないと考えている人も多いでしょう。
しかし、解剖学的な観点から一つ一つ分解して考えていくと、片頭痛が体質や気圧の問題だけではないことが見えてきます。
ではここから、少し具体的に考えていきましょう。片頭痛を引き起こす神経と血管の名前は、三叉神経と椎骨動脈です。
という観点から見ていくと、片頭痛と頚椎の歪みの関連がいかに深いのか、ご理解いただけるはずです。
解剖学的に考える片頭痛
頚椎は脳と体をつなぐ場所で、重要な神経や血管がたくさん集まっています。
この中には、先ほどの三叉神経と椎骨動脈も含まれます。
それらの神経や血管が正常に働くためには、頚椎の配列が正常な位置や角度にある必要があります。

たとえば、首の骨は七個の椎骨というブロック状の骨が積み重なってできていて、これを正面から見ると一列に揃っているのが正常です。
この配列が崩れて歪んでしまうと、歪んだ骨によって三叉神経や椎骨動脈に物理的な圧迫が加えられます。
そして、その圧迫が機械的ストレスとなって、神経や血管の異常興奮が起こり、頭痛が出てくるようになるのです。
上部頚椎の歪みと三叉神経の圧迫
なぜ頚椎が歪むことによって、神経や血管に物理的な圧迫が加えられるのかは、それぞれの位置関係が分かれば簡単です。
片頭痛の主要な症状に関わるのは三叉神経です。
三叉神経は脳神経の一部で、脳幹の橋(きょう)という場所から出て、三本の神経に枝分かれしながら、顔面の大部分の感覚を支配します。

したがって、こめかみや目の奥の痛み、顎や歯の痛み、吐き気など、片頭痛の代表的な症状は、三叉神経の異常興奮が原因である、というのが現代の医学界では定説です。
この脳幹がどこにあるかというと、上部頚椎といって首と頭のつなぎ目の部分、正面から見ると口を開けた奥にあります。
ということは、上部頚椎が歪んでしまうと、そこにある脳幹が物理的に圧迫を受けて、脳幹から出ている三叉神経に刺激が加わります。
これを実際のレントゲンで見てみましょう。すでに述べたように、頚椎を正面から見た場合は、一列に揃っているのが本来の形です。

それが、このレントゲンのように上部頚椎が歪んでしまうと、その中に納まっている脳幹は、歪んだ骨によって強い圧迫を受けるようになります。
この状態では、脳幹が常に機械的ストレスを受けて興奮状態にありますから、そこに疲労や精神的なストレスなどで追加の刺激を受けると、さらに神経の興奮が強まって三叉神経が異常活動を始めます。
これが骨格の観点から見た片頭痛の正体です。
ズキンズキンと脈打つ頭痛の正体
つぎに、ズキンズキンと脈打つような頭痛についても、簡単に解説をしておきます。
このような拍動性の頭痛の症状は、椎骨動脈の影響です。
椎骨動脈は頚椎の中を通る血管で、心臓から出たあと首の骨の中に入り、脳に血液を届けています。

そこで先ほどのように、頚椎が歪んだとしましょう。
そうすると、首の中を通っている椎骨動脈も同時に折り曲げられて、血管が圧迫されて血流が悪くなります。
とはいえ、脳に血液を届けないわけにはいきませんから、狭くなった血管で血液を送ろうとした結果、椎骨動脈の血圧が上がって血管が拡張します。
そして、拡張した血管が歪んで狭くなった頚椎の中を通るので、骨に当たるようになります。

ズキンズキンと脈拍と同じリズムで頭痛がするのは、血液を送るために椎骨動脈が拍動するたびに骨に当たるせいで、その刺激を神経が拾うからですね。
また、気圧の低下によって頭痛が出てくるのも、おもにこの影響です。
低気圧になると環境の変化に対応するため、体の活動レベルを落として、副交感神経優位の状態にします。
副交感神経優位の場合は、血管が弛緩して拡張しますから、同じように頚椎が歪んでいると、拍動するたびに骨に当たりやすくなります。
頚椎の歪みを矯正して脳幹の圧迫を取り除く
このような片頭痛の症状に対して、最先端骨格矯正では薬物療法で痛みを和らげるのではなく、頚椎の歪みを矯正することで対応していきます。
頚椎の歪みが矯正されて骨が本来の位置に戻れば、同時に脳幹の位置も戻って圧迫から解放されます。

そうすれば、常に受けていた機械的なストレスがなくなりますから、三叉神経が異常興奮することもなくなって、片頭痛の症状も出てこなくなるでしょう。
まとめ
現代医療の進歩によって、片頭痛には三叉神経の異常興奮が関わっている、というところまでは解明されています。
しかし、肝心の「なぜ三叉神経の異常興奮が起こるのか?」までは分かっていないのが現状です。
でも、このページで見ていただいたように、骨格の構造的な観点から見ていけば、また違った原因が浮かび上がってきますよね。
片頭痛は体質などの問題ではなく、頚椎の歪みが関連していることが非常に多いので、慢性的な頭痛にお困りの場合は、いちど骨格の歪みを確認するようにしてください。
